
こんにちは!スタイリスト谷口です。
皆様は、白髪が気になり始めたとき「これからは暗い色でしっかり塗りつぶさないといけないのかな…🤔」と諦めていませんか?
多くの方が、白髪は暗い白髪染めで隠すもの、というイメージを持たれています。ですが、プロの美容師として僕がお伝えしたいのは、白髪こそ「明るく染めて活かす」のが一番綺麗で、日々のストレスをなくすためのベストな選択だということです。
今回は、白髪を暗く塗りつぶすのではなく、透明感のある明るい髪色へとシフトチェンジしていく「明るめ白髪染めの育て方」について、不足しがちな知識や美容師としてのこだわりを交えながら詳しくお話ししていきたいと思います。

手始めの明るさは「10トーン」がベストな理由
明るい白髪染めを目指す場合、僕がおすすめしている手始めの明るさは「10トーン」くらいの設定です。
一般的な白髪染めは5から7トーン程度の暗いものが多く、10トーンと聞くと「かなり明るいのでは?」と驚かれるかもしれません。しかし、この10トーンという明るさこそが、白髪を自然に馴染ませるための絶妙なラインなのです。
10トーンで全体を染めた場合、黒髪の部分はふんわりと明るくなりますが、根元の白髪(グレイ)の部分は「ほんのり薄く色づく程度」にしか染まりません。
従来のしっかり隠す白髪染めに慣れている方からすると、「ちゃんと染まっていないのでは?」「白髪が浮いて見えないか不安」と感じるかもしれませんが、実は「それでいい」と僕は考えています。
なぜなら、ブラウンコントロールと呼ばれる黒や茶色の濁った色素の量が少ないカラー剤を使用し、白髪を完全に塗りつぶすのではなく、透明感を持たせながら柔らかく馴染ませることが、もっとも自然な仕上がりになるからです。

根元の白髪が「薄く染まる」ことの大きなメリット
では、なぜ白髪が薄く染まるくらいが丁度いいのでしょうか。
それは、数週間経って新しく根元が伸びてきたときのことを想像してみてください。
黒に近い暗めの色でしっかり染めてしまうと、一見綺麗に隠れたように見えても、伸びてきたときの根元の白髪とのコントラストがはっきりしすぎてしまいます。
まるで髪の根元に白い横線が入ったようにくっきりと目立ってしまい、「またすぐに染め直さなきゃ…」という終わりのないストレスに繋がります。
一方で、10トーンの明るさで白髪を薄く染めておくと、新しく生えてきた真っ白な根元との明度差が少なくなります。境目がグラデーションのようにぼやけるため、1ヶ月経っても根元の白髪が格段に気になりにくくなるのです。
白髪は黒く隠すものではなく、割合に合わせて明るさをコントロールするものだとお考えください。

日本人の髪特有の「オレンジ退色」との付き合い方
さて、明るめのカラーを楽しんでいく上で、避けて通れないのが「退色(色落ち)」の問題です。
10トーン程度の明るいカラーを繰り返していくと、日数が経過するにつれて毛先の色が抜け、どうしてもオレンジ系や赤みを帯びた色に変わってきます。
これはカラー剤の質が悪いわけではなく、日本人の髪質そのものによる現象です。日本人の髪の内部には、もともと赤褐色のメラニン色素が多く含まれています。髪を明るくするために元の黒色を脱色していくと、この赤褐色の色素が最後まで残りやすく、結果としてオレンジ色に抜けてしまうのです。
ここで「オレンジになるのが嫌だから、やっぱり暗い色に戻そう」と思ってしまうのは非常に勿体ないです。
オレンジ味が出てきた状態は、見方を変えれば「髪の毛のベースが明るく整い、理想のカラーを入れるためのキャンバスが綺麗になった状態」とも言えます。ここからが、本当の透明感カラーを作っていくためのスタートラインなのです。

アッシュ系カラーで赤みを抑え、透明感を「育てる」
退色してオレンジ系に抜けてきた毛先には、アッシュ系(青や緑みを持った色味)のカラーを重ねていくアプローチが非常に効果的です。
色彩学の原理になりますが、オレンジや赤の反対色(補色)である青や緑をぶつけることで、日本人特有の嫌な赤みをスッと打ち消すことができます。
一度で完全に赤みを消し去るのは難しい場合もありますが、カラーを繰り返すたびに徐々にオレンジ味が抑えられ、ヴェールをまとったような柔らかくすっきりとした色味へと変化していきます。
この「徐々に赤みを抑えてカラーしていく」という工程を経ることで、最終的に、暗い白髪染めでは絶対に表現できない「明るめの透明感が出る白髪染め」へと到達することができるのです。アッシュ系だけでなく、グレージュやオリーブ系など、お肌のトーンをパッと明るく見せてくれる洗練された色味も楽しめるようになります。

カラーは一日にしてならず。半年かけて理想の髪へ
僕たちがご提案する明るいファッショングレイカラーは、その日一日だけの仕上がりをゴールにしていません。
初回は10トーンでベースを作り、次回、その次とご来店いただくたびに、髪の状態や退色の具合に合わせてアッシュ系の色味を微調整しながら重ねていきます。
このように、数回に分けて少しずつ髪色を「育てていく」感覚を持っていただきたいのです。
もちろん、明るいカラー剤を毎月のように根元から塗布していくことになりますので、頭皮への負担は最小限に抑えなければなりません。
そのため、施術の際にはカラー剤を頭皮に極力つけず、髪の根元ギリギリから塗布する「ゼロテク」という技術を徹底しています。
頭皮にベタッと薬をつけないことで、刺激や負担をなくし、未来の健康な髪を育てる土台をしっかり守りながらカラーを楽しんでいただけます。
まとめ:自分だけの明るく上品なヘアカラーを手に入れる
白髪染めに対する考え方を少し変えるだけで、髪色の選択肢は無限に広がります。
手始めは10トーンで、白髪を薄く染めて馴染ませる
伸びてきても根元が気になりにくいベースを作る
オレンジに退色してきたら、アッシュ系を重ねて赤みを消す
ゼロテクで頭皮を守りながら、数回かけて透明感を育てる
「白髪が増えてきたから暗くする」のではなく、「白髪があるからこそ、透明感のある明るいカラーが綺麗に発色する」というポジティブな気持ちでヘアカラーを楽しんでいただけたら嬉しいです。
今の髪色が暗くて悩んでいる方、白髪がすぐに気になってストレスを感じている方は、ぜひ一度ご相談ください。お客様の髪質や白髪の割合を見極めながら、あなたに一番似合う明るめのスタイルを一緒に育てていきましょう。


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