
はじめに ― 「このカラー剤、体に悪いですか?」というご質問
サロンでカウンセリングをしていると、「このカラー剤って髪に悪いんですよね?」「オーガニックカラーなら安心ですか?」というご質問を本当によくいただきます。
美容業界にも「ノンジアミン」「オーガニック」「ダメージレス」といった言葉が溢れていて、お客様が「良いカラー剤」と「悪いカラー剤」を探したくなるお気持ちは、とてもよく分かります。
でも、美容師として長年施術をしてきた立場から正直にお伝えすると、カラー剤に「絶対的な良い・悪い」は存在しません。大切なのは、お客様お一人おひとりの髪質や頭皮の状態に、その薬剤が合っているかどうかです。今日は、なぜ僕たちが「これが一番良いカラー剤です」と単純に言えないのか、その理由をお話しします。
「良い成分」が誰にとっても良いとは限らない
美容師をしていて度々感じるのが、「優しい成分=誰にでも合う」という誤解です。
たとえば近年人気の「ノンジアミンカラー」は、アレルギー反応を起こしやすいジアミンという成分を使わないため、ジアミンアレルギーをお持ちの方には非常に重要な選択肢です。しかし、ノンジアミンカラーは発色の仕組みがジアミン系とは異なり、髪質によっては色の入り方や持続力に差が出ることがあります。
逆に、「刺激が強そう」というイメージを持たれがちな薬剤でも、頭皮に問題がなく、しっかりとした発色や持ちを求めるお客様にとっては、むしろ満足度の高い選択になることもあります。
カラー剤タイプ別 特徴比較表
| 項目 | ジアミン系 | ノンジアミン系 | 低アルカリ・オーガニック系 |
|---|---|---|---|
| 発色の鮮やかさ | ◎ 非常に鮮やか | ○ やや控えめ | ○ 自然な仕上がり |
| 色の持続力 | ◎ 長持ちしやすい | △ やや落ちやすい | ○ 標準的 |
| 頭皮への負担 | △ 人によって刺激あり | ◎ 低刺激 | ○ 比較的やさしい |
| おすすめの方 | しっかり発色・持ちを重視したい方 | アレルギー歴・敏感頭皮の方 | 髪と頭皮のバランスを重視したい方 |
※効果には個人差があります。必ずカウンセリングの上でご自身に合った薬剤をお選びください。
つまり、「優しい成分だから良い」「刺激がありそうだから悪い」という単純な図式では、本当にお客様に合ったカラー剤は選べないのです。僕が薬剤を選ぶ基準は、成分の強い・弱いではなく、「その方の髪と頭皮に、どう作用するか」という一点に尽きます。
カウンセリングで美容師が本当に見ているところ
薬剤を選ぶ前、僕たちはお客様の髪と頭皮のさまざまな情報を確認しています。ここでは、実際にカウンセリングで注目しているポイントをいくつかご紹介します。
頭皮の状態
頭皮が敏感な方、乾燥しやすい方、逆に皮脂が多くべたつきやすい方など、頭皮のコンディションは本当に人それぞれです。過去にカラーでかぶれた経験がある方には、パッチテストのご案内や、刺激の少ない薬剤への変更をご提案することもあります。
薬剤タイプ別「頭皮へのやさしさ」比較グラフ
※サロン独自の傾向指標です。頭皮の状態には個人差があるため、必ずパッチテスト等でご確認ください。
頭皮の状態を無視して「人気だから」という理由だけで薬剤を選んでしまうと、後でトラブルにつながりかねません。
髪の履歴(ブリーチ歴・パーマ歴)
過去に何度もブリーチをされている髪と、一度も薬剤を使ったことがない髪では、同じカラー剤を使っても全く違う結果になります。ダメージが蓄積した髪には、髪への負担を抑えながら発色させる薬剤を選んだり、事前に前処理のトリートメントで髪の状態を整えてから施術に入ったりすることもあります。
求める仕上がりとのバランス
「とにかく髪への負担を最小限にしたい」というご要望と、「しっかり明るく、鮮やかな発色にしたい」というご要望では、選ぶべき薬剤の方向性が変わってきます。どちらが正しいということはなく、お客様が何を一番優先したいかによって、僕たちがご提案する薬剤も変わってくるのです。
「トレンドの薬剤」と「その方に合う薬剤」は必ずしも一致しない
SNSや雑誌で「今話題の薬剤」が紹介されると、「私もそれでお願いします」とご要望をいただくことがあります。もちろん、新しい薬剤には優れた特長がたくさんあり、美容師自身もワクワクしながら勉強しています。
ただし、話題になっている薬剤が、必ずしも目の前のお客様に一番合っているとは限りません。同じ薬剤を使っても、髪質や頭皮の状態によって仕上がりも髪への負担も変わってくるからです。
僕がカウンセリングで「今回はこちらの薬剤の方がおすすめです」とご提案する時、それは決してトレンドを否定しているわけではありません。あくまで、その方の髪と頭皮にとって、より良い選択を一緒に探しているということなのです。
薬剤選びは「一度きりの決定」ではなく「その都度の対話」
もう一つお伝えしたいのは、薬剤選びは一度決めたら固定するものではないということです。
同じお客様でも、季節によって頭皮の状態が変わったり、髪のダメージレベルが変化したり、あるいはライフスタイルの変化でヘアケアにかけられる時間が変わったりします。だからこそ僕たちは、毎回のご来店時に「今日の髪と頭皮の状態はどうか」を確認しながら、その都度最適な薬剤を選び直しています。
美容師が薬剤を選ぶまでのプロセス
※実際の流れはサロン・お客様の状態により異なります。
「前回と同じ薬剤で」というご希望をいただくこともありますが、髪や頭皮の状態によっては、少し違う薬剤やメニューをご提案することもあります。それは、お客様のことを一番に考えているからこその判断だと、ぜひご理解いただけると嬉しいです。
おわりに ― 薬剤選びも、髪色選びと同じように
以前の記事で「似合う色」だけでなく「これからも好きでいられる色」を選ぶことの大切さについてお話ししましたが、薬剤選びについても、実は同じことが言えます。
「良い・悪い」という単純な二択ではなく、「今のあなたの髪と頭皮に、何が合っているか」という視点で選ぶこと。これこそが、髪へのダメージを抑えながら、理想の髪色を長く楽しんでいただくための一番の近道です。
カウンセリングの際は、ぜひ「この薬剤は良いですか?」だけでなく、「私の髪や頭皮にはどんな薬剤が合っていますか?」と聞いてみてください。僕たち美容師は、その質問をとても嬉しく思いますし、お客様一人おひとりに合った提案をさせていただきたいと、いつも考えています。
谷口 雅門
こんにちは!ゼロテクカラー特化型美容師の谷口雅門です。
頭皮にカラー剤を直接つけない「ゼロテク」技術を用いて、頭皮への負担や刺激を最小限に抑えながら、美しくツヤのある髪色を実現します。
敏感肌の方や、ジアミンが心配な方・将来の白髪予防など、頭皮の健康が気になる方に特におすすめです。お客様の髪質やライフスタイルに寄り添ったご提案をさせていただきます。ぜひお気軽にご相談ください!
🚃 アクセス
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